「直球が伸びない」「上投げがしっくりこない」と感じる投手ほど、投げ方を変えた瞬間に景色が変わることがあります。サイドスローの最速では、韓国出身の林昌勇が記録した160km/hが語られる一方、実戦では150km/h前後が主流という現実も見逃せません。球速だけにとらわれず「向き・不向き」やメリットまで整理すれば、自分の伸ばし方がはっきり見えてきます。
本記事ではサイドスローの最速記録から適性、強み、球速を伸ばす方法までをまとめて解説します。
サイドスローの最速投手は誰?
サイドスローの最速がどこまで伸びるのかは、多くの投手やファンが一度は気になる点です。腕の軌道が独特な投げ方だからこそ、実戦で狙えるトップスピードには、おおよその「現実ライン」が存在します。
こちらではNPBとMLBのデータや実例から、サイドスローの上限帯をわかりやすく整理していきます。
NPBだとこの4人
NPBではサイドスローの球速帯が、140km/h後半〜150km/h前後に集中しています。150km/hを超える投手は少数で、サイドスローの実戦的な最速域は、およそ152〜156km/h付近に収まる傾向です。
秋吉亮や又吉克樹、楽天の石田駿、千葉ロッテの横山陸人などが150km/h超の例として挙げられ、160km/h級は林昌勇の記録を除けば見られず、投球動作の構造から見ても150km/h台が合理的な上限と言えます。
出典:(パーソル パ・リーグTV公式)PacificLeagueTV
MLBの最速は?
MLBでもサイドスローの球速は、150km/h弱〜中盤あたりがほぼ上限ゾーンになります。ニック・サンドリンのような本格派サイドスロー投手でも155km/h前後を記録する程度で、球速より球筋の出どころや横変化を生かすタイプが中心です。
右サイドアームで95mph(約153km/h)前後を超える例は一部に限られ、100mph級はごく例外とされるため、実戦では150〜155km/h帯を目安にしつつ、変化量や見づらさを伸ばす方が実践的と言えます。
サイドスローが向いている投手の特徴
サイドスローで球速やパフォーマンスを伸ばすには、まず自分の体がこの投げ方と合っているかを知る必要があります。同じサイドスローでも合うタイプと合わないタイプがはっきり分かれるため、身体の特徴を踏まえて判断すると遠回りを減らせるでしょう。
こちらでは、サイドスローに向きやすい投手の共通点を、可動域・体幹・リリース位置の3つの視点からまとめます。
肩の可動域が狭い人はサイドスロー向き
外旋の可動域が狭い投手は、オーバースローだと肩の前方にストレスが集まりやすい傾向があります。サイドスローは腕が肩より下を通るため、外旋角度が小さくても振り抜きやすく、違和感なく投球動作を安定させやすい投げ方です。
ただし肘や腰への負荷が増える面もあるので、「肩は楽でも肘と投球数の管理は別」と考え、ケアとセットで取り入れることが大切になります。
横回転を使う体幹の強いタイプ
サイドスローは骨盤や肋骨を大きくひねり、横向きの回転でボールに力を乗せるスタイルです。体幹が強く、軸がブレにくい投手ほど、この横軸回転を効率よくボールに伝えられ、球威と横方向の変化量を高めやすくなります。
日頃から体幹トレーニングや軸足の強化に取り組んでいる選手なら、腕を長く使う感覚をつかむことで、角度と球速を両立しやすいタイプと言えるでしょう。
参考サイト:Alpen Group Magazine
低いリリースで角度を作れるタイプ
自然とリリースが低くなる投手は、サイドスローに変えると同じ利き腕の打者に対して外角へ鋭い角度を付けやすくなります。ボールが視界に入りづらい球筋になり、球速以上に「詰まらせやすい」「振り遅れさせやすい」といった特長をそのまま生かせる点が魅力です。
逆の利き腕には出どころが見えやすくなるため、マウンドの立ち位置をずらしたクロスファイアなど、角度の付け方で補う意識が重要になります。
サイドスローの3つのメリット
サイドスローは、投げ方を変えただけで景色が変わると言われるほど、特徴がはっきりした投球動作です。直球でサイドスローの最速を狙えなくても、その構造自体が投手にいくつもの武器を与えてくれます。
こちらでは、特に実戦で効果を感じやすい「横変化」「見えにくさ」「肩への負担」の3つのメリットを整理していきます。
横変化が自然に大きくなる
サイドスローは腕を横から振るためボールに横回転が入りやすく、スライダーやシンカーなど横方向に曲がる球種の曲がり幅が自然と大きくなります。直球の球速に自信がない投手でも、この変化球を磨けば見逃しや空振りを増やし、芯を外したゴロやフライを狙いやすくなるでしょう。
配球の軸を変化球の組み立てに置くことで、球速の数字以上に打者へプレッシャーをかけられる点も、サイドスローならではのメリットです。
打者視点で「見えにくい角度」が生まれる
サイドスローは出どころが横にずれるため、打者がボールを視界で捉えるまでの時間がわずかに遅れます。この視覚的な遅れが体感速度を押し上げ、実際の球速より速く感じる球筋を生みやすくなるのです。
特に同じ利き腕の打者に対しては見えづらさが強く出るため、マウンドの立ち位置を一塁側・三塁側に振り分けて角度を増やすと、タイミングをさらに取りづらくできます。
肩の負担が減り長く投げられる
サイドスローは腕が肩より下を通るぶん外旋角度が小さくなり、オーバースローと比べて肩へのダメージを抑えやすい投げ方です。上投げで肩前方に張りを感じやすい投手が、サイドスローに変えて違和感が軽くなった例も、現場では少なくありません。
一方で肘や腰にかかる力は増えやすいため、投球量の管理やコンディショニングと組み合わせつつ、負荷を分散して長く投げるスタイルとして活用するのがおすすめです。
まとめ
サイドスローの球速分布を見ると、NPB・MLBともにサイドスローの最速160km/hは例外的記録で、多くの投手は150〜155km/h帯に収まります。球速だけでなく、横変化や出どころの見えにくさ、肩への負担の軽さまで含めて評価する考え方が実践的です。
肩の可動域や体幹のひねり、自然な低リリースなどの要素を踏まえ、地面反力から指先の押し込みまで整理すれば、自分に合った形で球速と役割を伸ばしていけるでしょう。

















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