ゴールデングラブ賞とは?おかしいと言われる理由は?

毎年話題になるのが、1972年創設の守備の表彰であるゴールデングラブ賞です。近年はSNSなどで「ゴールデングラブ賞はおかしい」といった声を見かける機会も増えました。守備のうまさは打撃のように数字でスパッと比べにくいからこそ、同じ結果でも受け取り方が変わるのでしょう。
本記事では評価の前提を押さえながら、多くの人が抱える疑問の正体を一緒に紐解いていきます。
ゴールデングラブ賞とはどんな賞?
プロ野球には打撃だけでなく、守備のうまさを称えるゴールデングラブ賞が存在します。この賞がどのような目的で作られ、どうやって受賞者が決まるのか、まずは基本を整理しておきたいところです。
こちらでは、ゴールデングラブ賞の役割や選考の仕組みについて、わかりやすく解説していきます。
打撃ではなく守備の質を評価するタイトル
ゴールデングラブ賞は、守備のうまさを評価する公式タイトルです。打撃成績や投手の勝利数ではなく、守備の良さに注目して選ばれます。
総合的な成績で判断されるベストナインに対し、本賞は守備の腕前がメインです。単にエラーの少なさだけでなく、試合中の動きや捕球の安定感といったプレーの質も、大事な評価ポイントになっています。
参考サイト:三井ゴールデン・グラブ賞
取材歴5年以上の記者による無記名投票
受賞者は、プロ野球を担当する記者の投票で決まります。投票できるのは新聞やテレビ局などで取材歴5年以上の記者たちです。
候補選手にも決まりがあり、野手なら同じポジションで規定試合数の半分以上に出場している必要があります。投手なら規定投球回をクリアするか、試合数の3分の1以上の登板が条件です。
記者たちが守備範囲や送球の正確さを総合的に判断し、無記名投票で最多票を集めた選手が選ばれます。
ゴールデングラブ賞はおかしいと言われる理由
守備の名手を称える賞ですが、毎年の発表後にはさまざまな議論が飛び交います。「ゴールデングラブ賞はおかしい」という声が上がるのには、ファンが疑問に思ういくつかの理由があるようです。
こちらでは、そうした意見がなぜ出てくるのか、評価が納得しづらいと言われる背景について詳しく探っていきましょう。
守備の賞なのに?打撃成績が影響しやすい
守備の賞でありながら、打撃成績が影響していると指摘する声があります。どうしても打つほうで目立つ選手が選ばれやすい傾向にあるようです。
理由の一つは試合に出るチャンスの差です。打撃不振だと試合に出る機会が減り、守備を見せる場面も少なくなるため、投票対象から外れやすくなります。
もう一つは印象の違いです。打撃で注目される選手は試合で目立ち、良い守備の印象も残りやすいと言われます。ベストナインとの同時受賞が多いことも、守備だけで選ばれているのか疑問を持たれる要因のようです。
参考サイト:Full-Count
データと合わない?UZRなどの守備指標とのズレ
最近は選手の守備力をデータ化する新しい指標が広まってきました。その代表が「UZR」と呼ばれる、守備範囲の広さや失点を防いだ度合いを得点化する仕組みです。
ただ、このデータと実際の受賞結果が合わない年もあるようです。たとえば2020年のパ・リーグ外野手部門では、受賞した3選手全員のUZRがマイナスだったことが話題になりました。
とはいえ、UZRは打球の偏りなどで単年だと誤差が出やすいデータとも言われています。それでも、客観的な数字とのズレはたびたび注目を集めるポイントになっているみたいですね。
有名選手が有利?過去の実績や知名度による印象評価
もう一つ議論になりやすいのが、知名度や過去の実績による影響です。すでに「守備の達人」として有名な選手は、どうしても票を集めやすい傾向にあると言われています。
過去の受賞歴が次の年の投票に影響している可能性もあるのかもしれません。外野手で10回受賞した新庄剛志選手や、ショートで8年連続選ばれた山下大輔選手などの例が存在します。
もちろん確かな実力が伴っていますが、記者が全試合の全プレーを細かくチェックするのは現実的に難しい部分もあるでしょう。そのため、過去の良いイメージや印象が残りやすい面があるようです。
ゴールデングラブ賞がおかしいと言い切れない訳
毎年賛否両論が巻き起こるタイトルですが、果たして本当に不公平な制度だと言い切れるのでしょうか。守備の評価には、データだけでは割り切れない独特の難しさが潜んでいるようです。
こちらでは、制度の仕組みや評価の考え方から、見逃されがちなもう一つの視点について整理していきます。
数字に表れない「守備の質」の評価
守備には、単純なデータには表れにくい要素がたくさんあります。打球に対する一歩目の速さや、ボールを捕る体勢への入り方などが良い例です。
参考サイト:デイリースポーツ
たとえばファーストによるワンバウンドの処理を考えてみましょう。悪い送球をうまくすくい上げる技術はチームのピンチを救いますが、いまの指標では正確に評価しづらいプレーだと言われています。
記者はシーズンを通して実際の試合に足を運び、選手の守備位置や判断のスピードなどを直接見てきました。そうした長年の取材経験が、目に見えない守備のうまさの評価につながっているのかもしれません。
守備をデータで正確に測る難しさ
バッティングは打率やホームランで分かりやすく比べられますが、守備を数字で正確に測るのはとても難しいと言われています。
飛んでくる打球の方向やバッターのタイプによって、選手に巡ってくる守備のチャンスは大きく変わります。さらに、守備範囲が広い選手ほど難しい打球に追いつけるため、結果としてエラーの数が増えてしまうこともあるようです。
また、新しい守備データにも限界があります。あらかじめ守る位置を変える「守備シフト」の影響を受けやすく、個人の能力よりもチームの作戦がデータに反映されてしまう場合があると言われています。
まとめ
ゴールデングラブ賞は、プロ野球を担当する記者の投票で選ばれる名誉あるタイトルです。
ただ、人が選ぶという性質上、どうしても印象や主観が入りやすくなる部分は避けられません。その結果、データとのズレや知名度の影響が話題になり、「ゴールデングラブ賞はおかしい」という声が出ることもあるようです。
最近はUZRなどのデータが広まり、記者の印象と客観的な数字を比べやすくなりました。記者の目で見た評価とデータを両方とも参考にしながら楽しむのが、今の野球の面白い見方なのかもしれません。























