世界大会での熱戦を見るたび、「どの国が一番強いのだろう」と気になる人も多いでしょう。近年は日本やアメリカだけでなく、韓国・台湾・ドミニカ共和国など、地域ごとに個性ある野球が発展しています。ヨーロッパや中東でも競技人口が増え、野球は「世界のスポーツ」として広がり続けています。どの国が勢いを持ち、どの地域に野球が普及しているのか?
世界で野球が強い国を紹介
世界で野球が強い国は、日本とアメリカの二強時代から多極化が進行中です。アジアや中南米でも育成文化が成熟し、新たな強豪が台頭してきました。
こちらでは2025年最新版の世界で野球が強い国を紹介します。
日本|投手力と育成制度で世界1位を維持
日本は長年にわたりWBSC世界ランキングで首位を守っています。投手陣の層の厚さと守備の安定感が強みで、甲子園からプロまで続く一貫した育成制度が整っています。高校野球やWBCが世代を超えて注目を集め、野球は国民的スポーツとして根づきました。
2023年WBCでは日本がアメリカを下し、3度目の優勝を達成。育成文化と環境整備の積み重ねが、日本を野球の強い国へ押し上げています。
参考サイト:野球日本代表侍ジャパンオフィシャルサイト
アメリカ|MLBが支える圧倒的な選手層
アメリカはMLBを中心に、世界最大規模の選手層を誇ります。大学野球とドラフト制度が連動し、地方からでもスター選手が発掘される仕組みが確立されています。データやAIを活用したトレーニングが浸透し、育成の質も高水準です。
国内の競技人口は1,500万人を超え、野球が生活の一部として定着しています。WBCでは日本に惜敗しましたが、今も世界野球の中心的存在です。
参考サイト:USA baseball
韓国・台湾|組織力と戦略的プレーで上位常連
韓国と台湾は、アジアを代表する野球の強豪国です。両国では学校からプロリーグまで育成が体系化され、国全体で若手を育てる環境が整っています。韓国は北京五輪で金メダルを獲得し、兵役免除制度が選手の意欲を押し上げています。
台湾は2024年プレミア12で日本を破り、初優勝しました。綿密な戦略と機動力を武器に、国際大会でも安定した結果を重ねています。
ドミニカ共和国・キューバ|パワーと情熱の打撃国家
ドミニカ共和国とキューバは、中南米を代表する野球文化の国です。舗装されていないグラウンドで育ち、感覚的な打撃技術を磨いてきた選手が多くいます。ドミニカはMLBに多くのスターを輩出し、キューバはオリンピックで3度の金メダルを獲得しました。
厳しい環境でも野球への情熱は衰えず、地域社会全体で競技を支えています。自由で力強いプレースタイルが、両国を世界屈指の強豪へ押し上げています。
世界で野球をやっている国はどれぐらい?
世界大会のたびに「どの国が本当に強いのか」と気になる人は多いと思います。いまは日本やアメリカだけでなく、韓国・台湾・ドミニカ共和国など各地域が独自の育成で力を伸ばしています。ヨーロッパや中東でも競技人口が増え、野球は世界規模へ広がっています。
加盟国は140以上!アジアと中南米が中心勢力
世界の野球をリードしているのは、今もアジアと中南米です。日本・韓国・台湾に加え、キューバやドミニカ共和国、メキシコが主要国として存在感を示しています。温暖な気候を生かして通年で練習でき、地域社会と学校が連携して競技を支える体制が整っている国が多いのが実情です。
一方で活動が限られる国もありますが、地域大会を通じた普及は少しずつ進んでいます。今後はこれらの地域に続く新興国の台頭も見込まれます。
ヨーロッパや中東でも人気上昇中
ヨーロッパや中東でも、野球を強化する動きが広がっています。オランダとイタリアは欧州を代表する強豪で、2025年の欧州選手権ではオランダが優勝しました。カリブ系選手の参加もあり、多文化チームとして注目されています。
イスラエルではWBC出場をきっかけに競技人口が増加。さらにサウジアラビアやパキスタンなどでもリーグ設立が進み、野球人気が拡大しています。
サッカー大国でも野球人気が拡大
ブラジルや南アフリカなど、サッカー王国として知られる国でも野球が浸透しています。ブラジルでは日系移民が設立したクラブを中心に野球文化が広まり、MLB進出選手も増えています。
南アフリカでは「ベースボール5」という簡易ルールが学校教育に導入され、若者を中心に人気が上昇中です。サッカーと共存しながら野球を発展させる動きが、今後の新勢力を生み出す可能性を秘めています。
なぜ国によって強さに差が出る?
同じ野球が強い国でも、日本・アメリカ・ドミニカ共和国では強みの形が異なります。差は、気候や施設といった練習環境、段階的に伸ばす育成システム、地域に根づく文化と発信力の組み合わせで生じます。
温暖地は年間の実戦機会が多く、寒冷地は屋内設備で補うなど、こうした前提条件が勝ち方に影響する要因です。結果として、日本は総合力、アメリカは選手層と科学的育成、ドミニカは打力の伸長が際立ちます。
強さを生む三要素(環境・育成・文化)
温暖な国は通年で屋外練習ができ、技術を磨く機会が多いです。寒冷地は屋内施設やドームを整え、不足しがちな練習量を補っています。日本は少年野球からNPBへ続く一貫育成が強みです。米国は大学野球とドラフトで逸材をプロへ押し上げる体制を築いています。
甲子園の熱、韓国の兵役免除、MLBの発信力、ドミニカやキューバの地域の支えが競技力を底上げしています。これらが重なるほど、世代交代が途切れず国際大会でも安定した結果につながる傾向です。
まとめ
野球が強い国に共通しているのは、育成文化・環境整備・社会的な支援が一体となっている点です。日本は学校とプロが連携し、アメリカはMLBを中心に仕組みが成熟しています。ドミニカ共和国やキューバは地域文化の中で自然に才能を育む環境があります。
温暖な国ほど練習機会が多く、メディア発信力の高い国ほど競技人口の維持がしやすい傾向です。今や野球は140カ国以上に広がり、アジア・中南米を超えて欧州や中東でも発展を続けています。これからの野球が強い国とは、勝敗だけでなく、人と文化をつなぐ力を持つ国を指すのかもしれません。